賃貸物件

当の本人が住むつもりで、素人なりにリノベーションをしているというスタンスで書いておりましたが、途中から賃貸で、人様に借りてもらうことを視野に入れて工事を進めております。

きっとこのブログを読んで疑問を持ってくれた方もいるかと思いますが、そんな立ち位置で動いております。

 

そうなると設備選定の基準を含む、「考え方」というものがゴロッと変わってくるのでそこのところを書いていければと思います。

 

住む方に喜んでもらえる施工をするのは大前提なのですが、その人によって設備の使い方が変わってくるだろうという事と、必ず入退去が伴うという事は織り込んで考えていかなければなりません。

 

まずはフローリング。

個人で住む家であれば、こだわりの無垢フローリング、というのも大いにアリだと思います。家族でつけた傷さえも味になる自宅であれば、柔らかい針葉樹の無垢フローリングも良いし、今はオークやアカシヤの広葉樹系無垢フローリングも比較的安価で手に入ります。しかし、それらはサネという溝にはめ込んでいく施工が前提となり、もし一部が破損して交換したいとなると、そこに切れ込みを入れ、取り外して、またはめ込むという手間のかかる工事や、無垢材ゆえに色味を合わせる苦労も発生します。そんな事が退去の度に発生すると考えると、手間と費用の両面であまり望ましくありません。

そんな事を内装屋さんに相談したところ、「フロアタイル」という商品を教えてもらいました。

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 サンゲツから出ている商品で、最近は賃貸物件で良く使われているそうです。

クッションフロアのシートと違い、上の様なタイル状なので一部の取り替えも問題なく出来るそうです。また取り替えを前提として接着剤も弱めのものを使うとの事でした。

厚みも2.5㎜、材質はふわふわのクッションフロアと違いそこそこ硬く、質感も無垢とまで言わないまでも、高級感もあります。

そんな経緯があり、床材はサンゲツ のフロアタイルを敷いております。

 

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 壁はご存知、ラワン合板をそのまま化粧板として使っております。

建築家の先生が設計する家では表面のキメが細かいシナ合板が化粧板として良く使われていますが、予算の関係もあり、当物件ではラワン合板です。

「安価な材料であっても手を加える事によって出てくる良さがある」という事を感じて欲しい個人の想いもあるのですが、そこはもう考えずに思いっきり汚して、なんだったら小さなお子さんのお絵かき板に使ってもらって良いと思っています。

ラワン合板はクロス貼りにもってこいの下地材なので、最初の入居者に汚してもらったあと、クロス屋さんに入ってもらえば何の問題もないと考えております。

 

壁下地にクロスを貼る下準備では、下地材の接合部を平滑にする必要があって

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こんなパテ材を埋めていくのですが、それがし易い様に

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こんな具合に面取りもしております。

 

なので、化粧板としての仕上げと同時に、クロス貼りの下地材としてもほぼ完成しているという形になっております。

 

 

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キッチン天板のビルトインコンロ、開口部寸法は410×460㎜でオーダーしています。

この寸法は斜め二口のガスコンロも同じで、今後何かしらの改装で変更する際にも対応が出来る様になっています。

 

最後に洗面台

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当初はコンクリート躯体にソリッドな陶器製の洗面台を設置して、かつ鏡も躯体に直付け、そんな尖ったものを想定していました。

しかし、陶器製の洗面台だと硬いものを落として割れるケースが多々あると聞き、何より収納がないと困る!ということでホームセンターで売られている、部品の交換が効く汎用性のあるもので決めました。

 

住む人も変われば、世の常識も考え方も変わっていくこれから。いろんな可能性を考えなければなりません。ブログでは書ききれないほどの思考と失敗を重ねて、やっとこんな具合になっています。

 

失敗を英語でいうと、failやらmistakeより軽いニュアンスのpivotという言葉があると最近何かで読みました。ピボットってバスケットボールでやる、片足を軸にして旋回するやつです。そんな次の一手に繋がる軸を用意し続ける考え方、というか姿勢、大事だなと思います。